これまで、無添加・添加物がなるべく少ない食材や日用品を紹介してきました。そんななか感じていたことは、
すべての食品添加物を避けるのは、かなり難しいのではないか、ということ。
それは、特に食品添加物に注力したこの2記事で整理してきた結論でもあります。(▶ 食品添加物は体に悪い? / どんな種類・役割がある?)
では、どれを避ければいいの?
この記事では、オーガニックライフノーツが「優先して避けたい」と考える食品添加物を5つ選び、選定基準と、スーパーの原材料表示での見つけ方まで整理します。
本記事を読んで合わない部分は、ご自身の基準に差し替えて活用してくださいね。
1. 選定基準|「OLNが優先する」避けたい添加物の中身
国内で使用が認められている添加物は、使用基準の範囲で管理されています(こちらの記事で紹介しています▶ 食品添加物は体に悪い? )。
なので、「体に悪い添加物ランキング」というわけではありません。
この記事で取り上げる5つは、次の考え方で選びました。
- 公的機関の評価・注意喚起・規制動向の記録があること — 国際機関(WHO/IARC)や国内外の行政機関が、何らかの懸念・分類・規制の動きを公表している
- 日常の食品によく登場すること — 避ける・減らす行動の効果が出やすい
そして、この2つに当てはまっても、原材料表示で見つけられないものは、この記事では取り上げません。売り場で確認できなければ、避けようがないからです。
1.1 表示を見ても中身を特定できない添加物があるの?
実は、あります。パターンは2つです。
1つ目は、1つ目は、まとめて表示できるもの。香料・酸味料・乳化剤などは、原材料表示に「香料」とだけ書けます。どの物質が使われているかまでは分かりません(▶ 食品添加物にはどんな種類がある? で紹介した一括表示)。
2つ目は、名前はあっても種類まで分からないもの。たとえばカラメル色素は、製法の違いでカラメルⅠ〜Ⅳの4種類に分かれます。でも表示は「カラメル色素」または「着色料(カラメル)」だけ。どの種類かは書かれません。(出典:農畜産業振興機構「カラメルのはなし」)
どちらも、気にしたくても売り場では見分けようがない——こうした添加物は、この記事では取り上げていません。
だからこの記事の5つは、避けたい理由があり、かつ知ったその日から原材料表示で確認できるものです。避けたい理由と、表示のどこを見ればよいかを書いていきます。
2. 発色剤(亜硝酸ナトリウム)|ハム・ソーセージ・ベーコン・明太子

- 探す表示: 発色剤(亜硝酸Na)
- 見る食品: ハム・ソーセージ・ベーコン、いくら・すじこ・たらこ
- 毎日食べる人は、頻度を調整
- 代替: 「無塩せき」表記のハム・ソーセージ
何に使われる: 肉の色を鮮やかに保つ添加物です。食中毒の原因になるボツリヌス菌が増えるのを抑える働きもあります。使われるのは、ハム・ソーセージなどの食肉製品のほか、いくら・すじこ・たらこなど。(出典:東京都保健医療局「用途別 主な食品添加物 発色剤」)
なぜ避けたいか(くわしく): 2015年、WHOのがん研究専門機関であるIARC(国際がん研究機関)が、加工肉(ハム・ソーセージ等)を「ヒトに対して発がん性がある」と分類しました。「毎日50gの加工肉は大腸がんのリスクを18%増やす」という発表です。ただしこれは加工肉全体の評価で、亜硝酸ナトリウム単独の評価ではありません。
一方、日本人の赤肉・加工肉の摂取量は1日あたり63gで、世界で最も低い国の一つ。「平均的な摂取の範囲であれば、リスクへの影響は無いか、あっても小さい」——食品安全委員会は、国立がん研究センターのこの発表を紹介しています。出典:食品安全委員会「レッドミートと加工肉に関するIARCの発表についての食品安全委員会の考え方」・2015年11月30日)
つまり「国際機関が分類した」ことと、「日本の平均的な食生活でどこまで影響するか」は別の話です。毎日のように加工肉を食べる人は、表示を見て食べる頻度を落とすくらいの心掛けから始めてみるのがいいかもしれません。
3. 甘味料(アスパルテーム)|カロリーオフ飲料・ガム・菓子
- 探す表示: 「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」
- 見る食品: カロリーオフ・カロリーゼロの飲料、ガム、菓子
- 代替: 砂糖・てんさい糖などで甘みをつけた商品、甘味料不使用の商品
何に使われる: 砂糖の代わりに甘みをつける合成甘味料です。
なぜ避けたいか(くわしく): 2023年7月、IARC(国際がん研究機関)はアスパルテームを「発がん性がある可能性がある」(グループ2B)に分類しました。「可能性がある」という段階の分類で、確実とされたわけではありません。根拠となった研究も、偶然や他の要因の影響を「排除できない」とされています。
同じとき、別の判断も公表されています。食品添加物の安全な量を評価する国際専門家会議・JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)の判断です。
ここで基準になるのがADI(許容一日摂取量)。「毎日、一生とり続けても健康への悪影響がないと考えられる、1日あたりの量」のことです。JECFAは、1981年に決めたアスパルテームのADI(体重1kgあたり0〜40mg)を「変更する理由はない」と確認しました。世界各国の摂取量はこの量より低く、「健康への悪影響が生じる懸念はない」という評価です。(出典:食品安全委員会「アスパルテームに関するQ&A」・2023年7月)
「可能性の指摘」と「通常の量なら問題ない」という2つの公表が、同時に出ている。判断が分かれる情報だからこそ、表示で「入っているかどうか」を自分で確認できることに意味があると考えています。
表示の補足: アスパルテームを含む食品は「L-フェニルアラニン化合物」の併記が求められており、小さなパッケージでも省略できません。必ず物質名を確認できる添加物です。(出典:消費者庁「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号))
4. 食用タール系色素(赤色102号・黄色4号など)|漬物・菓子・清涼飲料

- 探す表示: 「着色料(赤102)」「着色料(黄4)」など、数字つきの色名
- 見る食品: 漬物・菓子・清涼飲料
- 代替: クチナシ・カラメルなど別系統の着色料、または着色料不使用の商品
何に使われる: 石油などを原料に化学的に合成された着色料で、鮮やかな色をつけます。日本では計12種類が指定添加物として認められています。(出典:消費者庁 食品衛生基準審査課「食用タール色素について」・令和7年6月3日 添加物部会資料/大阪健康安全基盤研究所「食品中の着色料について」・2023年3月8日)
なぜ避けたいか(くわしく): 海外で規制の動きが続いているからです。2025年4月、米国の食品や医薬品の安全を管理する行政機関・FDA(米国食品医薬品局)が、「2026年末までに石油由来の合成着色料を食品から段階的になくす」と公表しました。対象には赤色40号・黄色4号・黄色5号など、日本で今も使える色素が含まれます。
英国では、これらの着色料と保存料を混ぜた飲料が「子どもの行動に影響する」という研究が発表されたこともあります。ただし日本の評価は慎重で、「この研究だけで重大な影響とは判断できない」とされ、日本人の摂取量は英国の実験よりかなり少ないことも示されています。(いずれも出典:上記 消費者庁「食用タール色素について」)
国によって、規制の考え方が分かれている。その事実自体が「自分の基準で選ぶ」ための材料になります。
5. 保存料(安息香酸ナトリウム)|清涼飲料・栄養ドリンク・シロップ
- 探す表示: 「保存料(安息香酸Na)」
- 見る食品: 清涼飲料・栄養ドリンク・シロップ。とくに「ビタミンC入り」の飲料
- 代替: 保存料不使用の飲料(開封後は早めに飲み切る)
何に使われる: 菌が増えるのを抑える働きがあり、古くから保存料として使われてきました。日本では1948年に指定され、清涼飲料水への使用量は上限(0.60g/kg)が決められています。(出典:厚生労働省「清涼飲料水に含まれるベンゼンについて」・平成18年7月28日 報道発表内の用語解説)
なぜ避けたいか(くわしく): 安息香酸とビタミンC(アスコルビン酸)の両方が入った飲料で、条件によってベンゼンという物質ができることが、英国などで報告されました。日本でも2006年、厚生労働省が該当する市販31製品を調査。WHOの飲料水の目安(10ppb)を超えた製品が1つ見つかり、回収が要請されました。(出典:同上)
基準や調査の仕組みが働いた事例ともいえます。それでも、「ビタミンC入り」をうたう飲料でこの組み合わせを表示から確認できること自体に、知っておく価値があると考えています。
6. 防かび剤(OPP・TBZ・イマザリル)|輸入かんきつ類・バナナ

- 探す表示: 売り場の値札・POPの「防かび剤(イマザリル)」等(バラ売りでも表示されます)
- 見る食品: 輸入のオレンジ・レモン・グレープフルーツ、バナナ
- 代替: 国産かんきつ。皮を使う料理のときだけ国産、という使い分けも
何に使われる: 外国産のオレンジ・レモンなどのかんきつ類やバナナは、長時間の輸送貯蔵中にカビが発生します。その発生を防ぐために収穫後に使用される農薬を、日本では食品添加物として規制しています。いわゆる「ポストハーベスト」です。イマザリルの使用対象は、かんきつ類(みかんを除く)とバナナ。(出典:東京都保健医療局「用途別 主な食品添加物 防かび剤又は防ばい剤」)
なぜ避けたいか(くわしく): 「収穫後に使う農薬を、添加物として扱う」という使われ方の特殊性です。国産のかんきつには収穫後の防かび剤は使われません。つまり、産地の選択がそのまま摂取の選択になります。マーマレードやレモンティーなど皮を使う場面があるなら、なおさら表示を見る価値があります。
表示の補足: バラ売りでも、値札・品名札・陳列棚に物質名を表示するよう求められています(「食品表示基準について」平成27年3月30日消食表第139号に基づく運用)。売り場でそのまま確認できる、数少ない生鮮系の表示です。(出典:同上 東京都ページ)
7. よくある質問Q&A
Q1. 5つすべてを完全に避けるべきですか?
A. すべてを避ける必要はないと考えています。毎日・毎週買うものから表示を見るだけでも、摂取量は変わります。たまに食べるものまで気にしすぎない——これは「食品添加物は体に悪い?」からの一貫した結論です。
Q2. 原材料表示のどこを見ればいいですか?
A. 原材料名の「/(スラッシュ)」より後ろが食品添加物です。表示の見方の基本は「食品添加物は体に悪い?」の記事のQ&Aで解説しています。
Q3. 「無添加」と書いてあれば、この5つは入っていませんか?
A. 「無添加」は、何を添加していないのかによって意味が変わる表示です。この5つが気になる場合は、無添加表示ではなく原材料表示そのものを確認するのが確実です。
詳しくは、こちらの記事で説明しています▶ 無添加とは?食品の意味・表示の見方
8. まとめ|あなたオリジナルの「避けたい添加物リスト」を作る

※画像はイメージです。
| 添加物 | 表示での目印 | 主な食品 |
|---|---|---|
| 発色剤 | 発色剤(亜硝酸Na) | ハム・ソーセージ・たらこ |
| 甘味料 | 甘味料(アスパルテーム) | カロリーオフ飲料・ガム |
| タール系色素 | 着色料(赤102)等の数字 | 漬物・菓子・清涼飲料 |
| 保存料 | 保存料(安息香酸Na) | 清涼飲料・シロップ |
| 防かび剤 | 防かび剤(イマザリル)等の売り場掲示 | 輸入かんきつ・バナナ |
この5つを「自分も避けたいか」か検討し、納得できたもの・自分に合うと感じたものを選び、
あなたオリジナルの「避けたい添加物リスト」を作ってほしい。
これが、オーガニックライフノーツの現状での結論です。
※本記事は2026年9月に情報確認を行いました。表示や規制が変わった場合は記事を更新します。