「白湯」は「さゆ」と読み、辞書では水を沸かしただけで何も混ぜない湯と説明されています。
お湯との違いは、メーカーの解説では、水を一度沸騰させたかどうかで示されます。
この記事では、国語辞典・東京都水道局・メーカー公式ページで確認できた範囲で、白湯の定義と読み方、お湯や湯冷ましとの違い、温度の目安を整理します。あわせて、ハーブティー・桑茶・コーヒーとの比較表で、毎日の一杯を選び方もみていきましょう。
1. 白湯とは?|読み方と定義を辞書で確認する
白湯は「さゆ」と読み、辞書では水を沸かしただけで何も混ぜない湯を指します。飲み物として使うときは、飲みやすい温度まで冷ましたものが白湯です。
1.1. 読み方|「さゆ」と読む
国語辞典を集めたコトバンクの「白湯」の項目では、飲む湯としての白湯は「さゆ」または「しらゆ」です。
同じ表記でも「はくとう」と読めば、何も混ぜない湯、または薬湯に対して普通の浴用の湯の意味です。
飲み物としては「さゆ」と読む場合が多いと、クリンスイ JOURNALも説明しています。
1.2. 定義|水を沸かしただけで、何も混ぜない湯
辞書の語釈は、次のとおりです(出典はいずれもコトバンク)。
- デジタル大辞泉:真水を沸かしただけの湯
- 精選版 日本国語大辞典:沸かしただけで、何もまぜないで飲む湯
- 日本大百科全書:水を沸騰させた湯で、茶などを浸出していないもの
共通するのは、「沸かした水」であることと、「何も加えていない」ことです。
辞書の語釈に「冷ます」は含まれませんが、サーモスのWEBマガジンは、水を一定時間沸騰させ、飲みやすい温度まで冷ましたものが白湯だと説明しています。この記事も、飲み物としての意味で使います。
茶葉やコーヒー豆のような原料を加えない点が、ハーブティー・桑茶・コーヒーとの一番の違いです。
1.3. 温度の目安|資料によって幅がある
白湯の温度を数値で示す資料と、感覚で示す資料があります。確認できた範囲での記述を並べます(2026年9月)。
| 資料 | 温度についての記述 |
|---|---|
| サーモス WEBマガジン(2025年1月31日公開) | 沸騰させたあと、60〜50℃程度まで冷ましてからポットへ移す手順を紹介 |
| ミツカン公式通販 コラム | 数値の記載なし。口で息を吹きかけて冷ましながら飲めるくらいの熱さ |
| クリンスイ JOURNAL(2024年1月12日更新) | のどや胃のあたりがほんのり温かく感じる程度。食品添加物公定書で温湯とされる60〜70℃を超えない温度が飲みやすいとする |
数値は「50〜60℃前後」を示す資料がある一方、数値を示さない資料もあります。いずれも飲みやすさを基準にした目安で、一つの正解を定めたものではありません。
1.4. 作り方の要点
やかんやレンジでの手順、水道水やミネラルウォーターを使う場合の違いは、こちらの記事も参考になります。
▶ 白湯の正しい作り方|お湯との違い・レンジでの作り方・水道水やミネラルウォーターの疑問まで解説
2. 白湯とお湯は何が違う?|沸騰させるかどうか・温度・湯冷ましとの違い

メーカーの解説では、違いは水を一度沸騰させたかどうかで示されます。サーモスのWEBマガジンは、お湯を水を温めたもの、白湯を沸騰させてから飲みやすい温度まで冷ましたものと分けています。電気ポットの湯、ウォーターサーバーの温水、湯冷ましとの関係は次の表のとおりです(2026年9月確認)。
| 種類 | 一度沸騰させるか | 温度の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 白湯 | 沸騰させる(水を沸かして何も混ぜない湯) | 資料によって幅がある。サーモスは60〜50℃程度 | コトバンク(デジタル大辞泉)・サーモス |
| お湯 | 資料によって扱いが異なる(サーモスは「水を温めたもの」、デジタル大辞泉の「湯」は「水を煮えたたせて熱くしたもの」) | 公定書の取り決めでは、温湯が60〜70℃、熱湯が約100℃ | コトバンク(湯)・食品添加物公定書 通則(消費者庁) |
| 湯冷まし | 沸騰させた湯を冷ましたもの | 室温まで冷ます | コトバンク(日本大百科全書)・東京都水道局 |
| 電気ポットの湯 | 機種と設定による(沸騰させずに設定温度まで沸かす機能と、沸騰させる機能がある) | 象印の一機種では保温98・90・80・70℃を選べる | 象印マホービン |
| ウォーターサーバーの温水 | 公式FAQに記載なし(機種ごとの説明書で確認) | フレシャスの公式FAQでは80〜85℃で固定 | フレシャス公式FAQ |
2.1. 辞書の語釈|「湯」のなかで何も混ぜないものが白湯
デジタル大辞泉では、「湯」は水を煮えたたせて熱くしたもの、「白湯」は水を沸かしただけで何も混ぜない湯です。辞書の上では、白湯は湯の一種として載っています。
お湯の温度については、食品添加物公定書の通則が、温湯を60〜70℃、熱湯を約100℃の水と定めています。これは添加物の試験を行うための取り決めで、日常のお湯の温度を定めたものではありません。
2.2. 湯冷ましとの違い|どこまで冷ますかが違う
白湯も湯冷ましも、一度沸騰させた湯を冷ましたものです。
違いは冷ます温度で、白湯は温かいうちに飲み、湯冷ましは室温まで冷まします。
日本大百科全書も、湯冷ましを「白湯を冷やしたもの」と説明しています。
湯冷ましの作り方として、東京都水道局は、カルキ臭が気になる場合に、沸騰後ふたを半開きにして弱火で5〜10分加熱してから室温まで冷ます方法を案内しています。
3. 白湯はお湯じゃダメ?ポットやウォーターサーバーのお湯でもいい?
「お湯では白湯にならない」と定めた辞書や公的資料は、確認した範囲では見つかりませんでした。
電気ポットやサーバーの湯が「白湯」にあたるかどうかは、一度沸騰させたかという作り方の違いで分かれます。
3.1. 電気ポット
象印マホービンの電気ポット「優湯生 CV-GB」は、保温温度を98℃・90℃・80℃・70℃などから選べます。
沸騰させずに設定温度まで沸かす機能と、カルキ臭をとばすために沸騰させる機能の両方を備えています。
電気ポットでも、種類・設定によって沸騰を経た湯かどうかが変わります。
白湯として使うなら、取扱説明書で沸騰させる設定を確認して活用しましょう。
3.2. ウォーターサーバー
フレシャスの公式FAQでは、温水は80〜85℃、冷水は5〜10℃で固定と案内されています。加熱の方式、つまり沸騰させているかどうかは、このFAQには記載がありません。サーバーの温水が白湯にあたるかは、利用する機種の取扱説明書かメーカーの案内で確認するのが確実です。
3.3. 沸騰時間
沸かす時間も、資料で数字が分かれます(2026年9月確認)。
| 資料 | 沸かす時間 | 記載された条件 |
|---|---|---|
| 東京都水道局(トリハロメタンの除去) | 5分程度の煮沸 | 記載なし |
| 東京都水道局(カルキ臭が気になる場合) | 沸騰後に5〜10分程度 | ふたは半開き、弱火 |
| サーモス | 沸騰後に10分ほど | 約1Lの水、弱めの中火 |
| クリンスイ JOURNAL | 10〜15分程度 | ふたを外し、少し火を弱める |
水量・火加減・ふたの扱いが資料ごとに異なり、同じ条件で並べた数字ではありません。
4. 白湯を飲むときに気をつけることは?|やけどと作り置き
熱いまま口にせず、息を吹きかけて冷ませるくらいまで冷ましてから飲みます。また、作り置きはせず、飲む分だけ用意します。
やけどについて、ミツカンの公式コラムは、口で息を吹きかけて冷ましながら飲めるくらいの熱さを目安にしています。サーモスのWEBマガジンは、温度計がなければ、やけどしないように気をつけながら湯を触って確かめる方法を紹介しています。
作り置きについて、東京都水道局は、水道水を煮沸すると残留塩素が減って雑菌が繁殖しやすくなるため、必ず早めに飲み切るよう案内しています(出典:東京都水道局「よくある質問」)。
5. 白湯はお茶・コーヒーとどう違う?|カフェイン・費用・手間の比較表
白湯は、カフェインを含まず、費用が4つのなかで最も低い一方、香りや味の主張はほとんどありません。
白湯・ハーブティー・桑茶・コーヒーの4つを比較しました。
5.1. 数値の見方|カフェインは100mLあたり、費用は1杯分の目安
| 項目 | 白湯 | ハーブティー | 桑茶 | コーヒー |
|---|---|---|---|---|
| カフェイン | 含まない(水を沸かしただけのため) | 含まない(ノンカフェインのもの。茶葉入りブレンドを除く。出典:片岡物産「成分・原材料」FAQ) | 含まない(出典:桜江町桑茶生産組合 公式サイト) | 60mg/100mL(レギュラーコーヒーの浸出液。出典:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」) |
| 費用の目安(1杯) | 1円未満(水道代と沸かす電気代の合計。東京都水道局・東京電力エナジーパートナーの料金表をもとに算出、2026年9月確認) | 約43円(トワイニング カモミール10袋432円・税込を1杯換算。出典:トワイニング公式サイト、2026年9月確認) | 約21〜47円(出典:eerr-life.com「桑茶を飲んではいけない人」掲載の商品価格、2026年2月時点) | 約36円(ムソーオーガニック インスタント珈琲100g 希望小売価格1,782円・税込を1杯2g換算。出典:むそう商事(ムソーオーガニック)公式サイト) |
| 手間 | 沸かして冷ますだけ | 茶葉を湯に浸すだけ | 茶葉や粉末を溶かすだけ | 豆を挽いて抽出する手間がある(インスタントは湯を注ぐだけ) |
| 香りと味 | ほぼ無味・無臭 | 植物の種類によって香りが変わる | まろやかで香ばしい | 苦味と香りが強い |
| 向いている場面 | 空腹時や就寝前など、刺激を控えたいとき | リラックスしたい時間 | 午後のひと息 | 朝の一杯、仕事の合間 |
ハーブティー・桑茶・コーヒーは植物や豆の個性を楽しむ飲み物。
白湯はその個性を持たないゆえに飲みやすい飲み物といえます。
6. 毎日の一杯に選ばれる理由は?

白湯が選ばれる条件は、カフェインを含まない、材料が水だけ、費用がわずか、健康状態・時間帯選ばない、の4つです。
6.1. 選ばれる条件|カフェインなし・材料は水だけ・費用はわずか
- カフェインを含まない:就寝前や夜間でも選びやすい条件になる
- 材料が水だけ:茶葉や豆のような追加の原材料がいらない
- 費用がほぼ水道代:比較表のとおり、1杯あたりの費用が4つの中で最も低い
- 時間帯を選びにくい:香りや味の主張が少ないため、食事や他の飲み物と重ねやすい
これらは白湯が持つ「条件」であり、体への効果を示すものではありません。
6.2. 使い分け|刺激と時間
朝、コーヒーの香りで気持ちを切り替えたい人は体にやさしいコーヒーの選び方を。香りでリラックスしたい時間にはハーブティーの選び方とおすすめ一覧を。午後のひと息には桑茶についての記事を、選択肢に加えられます。一方、空腹時や就寝前など、香りや味の刺激を抑えたい場面では白湯が選ばれます。
▶ 朝は白湯と水どっちがいい?体への違い・効果・正しい飲み方をやさしく解説(習慣としての取り入れ方の参考に)
7. 白湯に使う水は水道水でいい?|Q&A
日本の水道水は、そのまま飲める基準を満たしているため、白湯に使う水として問題ありません。
それでもやっぱり水を選びたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
▶ 水道水を飲むのはよくない?水質基準の数字と、お茶・コーヒー・白湯での使い方
8. まとめ|白湯は、沸かした水に何も混ぜない「素の一杯」
白湯は「さゆ」と読み、水を沸かして何も混ぜない湯を、飲みやすい温度まで冷ました飲み物です。整理すると、次のようになります。
- お湯との違いは、一度沸騰させたかどうか。湯冷ましは白湯を冷ましたもの
- 温度の目安は資料によって幅があり、電気ポットやサーバーの湯は機種や設定で異なる
- ハーブティー・桑茶・コーヒーと比べると、カフェインを含まず、費用は1円未満で、香りや味の主張が少ない
香りや味を楽しみたい時間はハーブティー・桑茶・コーヒー、刺激を控えたい時間は白湯、と場面で使い分けると、毎日の飲み物の選択肢が広がります。
白湯に使う水が気になる場合は、水道水の基準値をまとめた 水道水を飲むのはよくない? から確認できます。
