健康志向の高まりにより、食材だけでなく「調理器具選び」も見直す人が増えています。
特に毎日使うフライパンには、有害物質が含まれている場合があり、健康に悪影響を及ぼす可能性も。
この記事では「有害物質を含まないフライパン:日本製」というテーマで、安全なフライパンの選び方とおすすめ製品を徹底解説します。
1. フライパンに含まれる可能性のある有害物質

一見安全そうなフライパンにも、注意すべき化学物質が潜んでいる場合があります。
その代表例を詳しく見ていきましょう。
1.1 PFOA(ピーフォア)やPFAS(ピーファス)などの、フッ素化合物
焦げ付き防止を目的としたテフロン加工などに使われる「PFOA(パーフルオロオクタン酸)」や「PFAS(有機フッ素化合物)」。
これらは加熱時に微量ずつ分解・揮発し、人間が吸入や食材摂取を通じて体内に取り込んでしまう可能性があります。
【体への悪影響とされるリスク】
- 発がん性(特に腎臓がん、精巣がんなど)
- 内分泌攪乱作用(ホルモンバランスの乱れ)
- 免疫力の低下
- 胎児・小児の成長障害
PFOS(ピーフォア)、PFOA(ピーファス) は、動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。
出典:環境省>PFAS に対する総合戦略検討専門家会議
こうした背景から、できるだけこれら化合物を含まないフライパンを選ぶことが重要です。
1.2 鉛やカドミウムなどの重金属
一部の低品質なコーティングには、鉛やカドミウムなど重金属が使用されている場合があります。これらは体内に蓄積すると肝機能障害や腎機能障害を引き起こすリスクがあります。
1.3 コーティング剥がれによる健康リスク
使い込んでコーティングが剥がれたフライパンからは、有害成分が溶出したり、加熱によって有害ガスが発生する危険性もあるため、要注意です。

2. なぜ鉄フライパンをおすすめするのか
ここでは、なぜ筆者が数ある選択肢の中から「鉄フライパン」をおすすめするのかを、わかりやすく解説していきます。
毎日使うものだからこそ、安全性と使い心地の両方を大切にしたい。そんな思いから、鉄フライパンが最良の選択だと考えています。
2.1 コーティング剤を使わず、素材そのままで安全
鉄フライパンは、表面に化学コーティングがないため、有害物質が発生する心配がありません。
素の素材で安心して高温調理ができる点が大きなメリットです。
2.2 長持ちし、環境にもやさしい
鉄フライパンは、使い方次第で一生モノにもなり得ます。
使い捨てではなく、育てる感覚で長く使えるので、サステナブルな選択でもあります。
2.3 正しい使い方でサビ対策もできる
使用後の乾燥・油ならしを徹底すれば、サビを防ぎながら使い続けることができます。

3. 鉄フライパンのメリット・デメリット
鉄フライパンにはたしかに多くの魅力がありますが、使い方によっては注意が必要な点も存在します。
ここでは、鉄フライパンを選ぶ前に知っておきたいメリットとデメリットを、わかりやすく整理してご紹介します。
自分に合ったフライパン選びの参考にしてもらえたらと思います。
3.1 鉄フライパンのメリット
- 有害物質ゼロで安心
- 蓄熱性が高く、食材をジューシーに焼き上げる
- 使い込むほど油なじみが良くなり焦げ付きにくくなる
- 微量の鉄分が食材に移り、鉄分補給が期待できる
3.2 鉄フライパンのデメリット
- 使用後のお手入れ(乾燥・油引き)が必要
- 水分管理を怠るとサビが発生
- 酸性食材(トマト・酢など)には注意が必要
3.3 鉄フライパンのサビは本当に体に悪いのか?
鉄フライパンの表面に発生するサビは、「酸化鉄」と呼ばれる自然由来の物質です。酸化鉄は自然界にも広く存在し、人体への吸収率が非常に低いことが知られています。そのため、鉄フライパンにできたサビを少量摂取した場合でも、健康への影響はほとんどないと考えられています。
実際に、厚生労働省の食品添加物データベースにおいても、酸化鉄は食品添加物(着色料)として一定量の使用が認められており、安全性が確認されています。 ※参考:「酸化鉄」- 厚生労働省 食品添加物データベース
万が一体内に取り込まれた場合でも、多くは吸収されず、自然に体外へ排出されます。
ただし、サビが広範囲に広がっていると、料理の見た目や風味に影響を与える可能性があるため、気になる場合は取り除くなど適切な対処を行いましょう。
鉄フライパンにサビが出た場合の対処法
- 金たわしやスポンジでサビをこすり落とす
- 水気をしっかり拭き取り、空焼きして乾燥させる
- その後、フライパン全体に薄く油を塗り、軽く加熱する(シーズニング作業)
これらを行うことで、再び鉄フライパン本来の性能を取り戻すことができます。
正しいお手入れをすれば、鉄フライパンは「一生モノ」の相棒になってくれるでしょう。
サビの正体 | 健康リスク | 注意点 |
---|---|---|
酸化鉄 | ほぼ無害 | 見た目や風味が気になる場合あり |

4. 有害物質を含まないフライパンの素材比較
安全なフライパンを選ぶためには、どの素材にどんな特徴があるかを理解しておくことが欠かせません。
ここでは、特に人気の高い鉄フライパンとテフロン加工フライパンを中心に、素材ごとの違いや安全性について比較しながら解説していきます。
比較項目 | 鉄フライパン | テフロン(フッ素樹脂)フライパン |
---|---|---|
素材 | 鉄そのもの | アルミなどの金属にフッ素樹脂コーティング |
有害物質のリスク | なし(自然素材) | PFOA・PFASのリスク(製品による) |
焦げ付き防止 | 油ならしが必要(使い込むと焦げにくい) | 最初から焦げ付きにくいが、劣化で機能低下 |
耐久性 | 数十年使用可能 | 数年でコーティングが剥がれ、買替えが必要 |
お手入れ | サビ防止の油ならし必須 | 簡単に洗える |
価格帯 | 低~高価格 | 安価なものも多い |
テフロン加工フライパンは軽くて使いやすい反面、長期使用や高温調理によるPFOA・PFASリスクは無視できません。一方、鉄フライパンは自然素材そのままで、有害物質を気にせず高温調理ができるため、健康志向の方に特におすすめです。
あなたのライフスタイルに合った素材を選びましょう。
5. 日本製の安全なフライパンの選び方
安全な日本製フライパンを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 信頼できるメーカー(藤田金属、工房アイザワなど)を選ぶ
- 製品ラベルで「PFOAフリー」「Made in Japan」表記を確認
- 自分の料理スタイルに合った形状(浅型・深型)を選ぶ
6. おすすめの日本製:鉄フライパン【浅型・深型別】
ここからは具体的におすすめの日本製の鉄フライパンを紹介します!
6.1 浅めフライパン3選
- 藤田金属 パラパラ炒飯パン 25cm
軽量で扱いやすく、炒飯や野菜炒めがパラパラに仕上がる逸品。
- 工房アイザワ ブラックピーマン フライパン 26cm
黒皮仕上げで美しい見た目と優れた耐久性。熱伝導性も高い。
- 黒皮仕上げ 鉄フライパン 26cm
表面加工を最小限に抑え、鉄の持ち味を存分に活かした一枚。
6.2 深めフライパン2選
- 鉄職人 極深いため鍋 22cm
深型設計で炒め物から煮込み料理までマルチに使える万能型。
- スゴ軽 槌目鉄炒め鍋 24cm
槌目加工による軽量化と、プロ並みの使い心地を両立したモデル。
7. まとめ:安全なフライパンで健康的な食生活を

素材選びと正しい使い方を意識すれば、毎日の調理がもっと安心で楽しいものに変わります。
日本製の鉄フライパンなら、長年にわたって健康的な食生活を支える頼もしい存在になります。
ぜひあなたも、自分にぴったりの一枚を選んでください!