ハーブティーって体に良さそう
と思いがちですが、実は飲み方や体質によっては、逆に不調を引き起こすケースもあります。
たとえば気分が悪くなったり、肝臓に負担をかけたりすることも。
この記事では、知らずに続けることで起きるリスクや、体に優しい取り入れ方についてわかりやすく解説します。
1. ハーブティーは本当に体に良いの?
ハーブティーといえば、「健康にいい」「リラックスできる」といったイメージを持つ方が多いでしょう。確かに、カフェインレスで体にやさしいものも多く、日常に取り入れやすい飲み物です。
しかし、その“体に良さそう”というイメージだけで、毎日のように飲み続けていると、思わぬ不調を引き起こすことも。ここではまず、ハーブティーの基本的な特徴と、一般的に抱かれやすい誤解について解説します。
1.1 ハーブティーの特徴とよくある誤解
ハーブティーは、カモミールやミント、ローズヒップなどの植物を用いたお茶で、リラックスや美容・健康に良いとされています。その一方で、「自然だから体にいいに違いない」と過信し、「ハーブティーを飲み続けるとどんどん健康になる」と思い込むのは注意が必要です。
1.2 「自然=安全」とは限らない理由
ハーブにはそれぞれ薬理作用があり、体に合わなければ不調の原因になることもあります。厚生労働省の情報サイト「eJIM」でも、ハーブは自然由来であっても「薬と相互作用を起こす可能性がある」「全ての人に安全とは限らない」と注意を促しています。
多くの人は、ハーブ系サプリメント(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)と、処方薬あるいは市販薬の両方を摂取・服用しています。しかし、これらの薬やサプリメントが有害な相互作用を起こす可能性があることを知っていましたか? サプリメントの中には、医薬品の効果を減弱させるものもあれば、望まない副作用を含めて効果を増強させるものもあります。残念ながら、現時点では、多くの薬とサプリメントについて、相互作用の可能性に関する情報はほとんどなく、さらに多くの研究が必要です。
出典:厚生労働省eJIM 医療関係者の方へ > コミュニケーション > 薬とハーブの相互作用について知っておくべき6つのこと
1.3 飲み続けることで起きる体の変化とは

ハーブティーを飲み続けた結果、以下のような変化を感じる方もいます:
- 胃のむかつき・吐き気
- 肌荒れや倦怠感
- 肝機能数値の悪化
- 血圧の急な変動
これらは、特定のハーブ成分が内臓に負担をかける、あるいは薬との相互作用を引き起こすことで生じると考えられています。
2. 体調不良につながる可能性のある影響
ハーブティーは自然由来で安心な飲み物と思われがちですが、体質や飲み方によっては、思わぬ体調不良を招くこともあります。特に「飲み続けていたらなんだか調子が悪い…」という声は少なくありません。
ここでは、ハーブティーが引き起こす可能性のある具体的な不快症状や、内臓への負担、血圧などへの影響について詳しく見ていきましょう。
2.1 吐き気・胃もたれなどの不快な症状
「ハーブティー 吐き気」「ハーブティー 気持ち 悪くなる」と感じる人は少なくありません。原因は次のようなものが考えられます:
- 精油成分が胃を刺激する(例:ミント)
- 空腹時に飲むことで胃酸が増えすぎる
- 濃すぎるハーブティーを一度に大量に飲む
胃腸が敏感な方やストレスで胃の調子が不安定な時期は、薄めに淹れ、量を控えることがポイントです。
2.2 肝臓や内臓にかかる見えない負担
ハーブの有効成分の多くは肝臓で代謝されます。継続して飲むことで知らず知らずのうちに肝臓に負担がかかる可能性があります。
たとえばリコリス(甘草)を含むハーブティーでは、肝機能だけでなく血圧やカリウムのバランスにも影響することが報告されています。
2.3 血圧や体調への影響が出る場合も
実は、血圧に作用するハーブもあります。メリット・デメリットがあるので注意が必要です。
| ハーブ名 | 主な作用・特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| リコリス(甘草) | 血圧を上げる可能性がある | 疲労回復、喉の痛みをやわらげる作用 | 高血圧の人は血圧上昇の恐れあり。長期摂取は避ける |
| ヒソップ | 血圧を下げる作用 | 気分を落ち着かせ、リラックス効果 | 低血圧の人はふらつきやだるさを感じることがある |
| ラベンダー | 血圧を下げる作用 | 自律神経を整え、安眠をサポート | 低血圧の人では眠気や立ちくらみが出る場合も |
| ダンディライオン(タンポポ) | 利尿作用により体内の水分を排出 | むくみの改善、代謝サポート | 脱水や電解質バランスの乱れに注意。腎機能が低下している人は控える |
ポイント:
薬を服用中の方や、高血圧・低血圧などの持病がある方は、自己判断せずにかかりつけ医に相談しましょう。
また、複数のハーブをブレンドした商品は成分が重なり、作用が強まることもあるため注意が必要です。
3. 副作用や不調の原因はなにか?
ハーブティーを飲んだら気分が悪くなった
なんとなく体がだるい
といった不調の裏には、いくつかの原因が隠れていることがあります。
ハーブティーは種類によって成分や作用が異なるうえ、体質やアレルギー、さらには服用中の薬との相性によっても体への影響が大きく変わります。
この章では、ハーブティーが引き起こす副作用や不調の主な原因を、わかりやすく解説していきます。
3.1 ハーブの種類と成分による違い
ハーブによって含まれる成分や効果はさまざまです。その分、副作用の出方も異なります。
| ハーブ名 | 主な成分 | 注意点 |
|---|---|---|
| セントジョーンズワート | ヒペリシン | 薬との相互作用が強い(特に抗うつ薬) |
| リコリス(甘草) | グリチルリチン | 血圧上昇・カリウム低下の可能性 |
| カモミール | アピゲニンなど | キク科アレルギーの人は要注意 |
| ペパーミント | メントール | 胃が敏感な人には刺激が強い場合も |
3.2 体質やアレルギーが影響することも
ハーブは体質やアレルギーの影響を受けやすく、少量でも不調を感じる人もいます。特に花粉症、喘息、キク科アレルギーを持っている方は、症状が悪化する可能性があるため、慎重に選ぶ必要があります。
3.3 薬との飲み合わせに要注意
厚生労働省のeJIMによれば、ハーブと薬との相互作用には不明な点が多く、「安全だと思って飲んでいたハーブティーが、薬の効き目を変えてしまうこともある」としています。
天然だから安心とは限らず、薬との相互作用や副作用のリスクを正しく理解することが必要です。
出典:厚生労働省eJIM 医療関係者の方へ > コミュニケーション > 薬とハーブの相互作用について知っておくべき6つのこと
3.4 過剰に飲み続けることでのリスク
以下のような条件が重なると、ハーブティーが体に悪影響を及ぼす可能性があります。
| リスク因子 | 内容 |
|---|---|
| 大量摂取 | 1日3杯以上や濃いハーブティーを毎日飲む |
| 長期間連続 | 数週間以上休まずに飲み続ける |
| 特定ハーブに偏る | 毎回同じ種類ばかり飲む |
| 薬との併用 | 血圧・血糖・精神薬との併用リスク |
| 体質要因 | アレルギー・肝臓が弱い人など |
4. 注意が必要な人と飲み方のコツ
ハーブティーは手軽に楽しめる反面、すべての人にとって“安全な飲み物”とは限りません。特に体調やライフステージ、持病の有無によっては、注意すべきポイントがいくつもあります。
この章では、ハーブティーを飲む際に気をつけたい人の特徴と、体にやさしい飲み方のコツを具体的にご紹介します。
4.1 持病や治療中の人が気をつけるべきこと
肝疾患、高血圧、糖尿病などの持病がある方は、ハーブの作用が病状や薬の効果に影響することがあります。ハーブティーも体に「作用する」飲み物であることを忘れてはいけません。
4.2 妊娠・授乳中、小さな子どもが飲む場合
妊婦や授乳中の方は、子宮収縮やホルモンへの影響が懸念されるハーブ(例:セージ、フェンネル)を避けるべきです。小さなお子さまも、消化・代謝機能が未熟なため、与える際には専門家の助言が必要です。
4.3 自分に合ったハーブの選び方とは
初心者には以下のポイントを意識した選び方が安全です:
- 単一ハーブ(ブレンドでない)
- アレルギーリスクが低い(例:ルイボス)
- 成分表示が明確で、信頼できるメーカー製品
- 国産・農薬不使用・オーガニック認証あり など
4.4 飲み方・量・頻度を見直すポイント
- 1日1〜2杯を目安に
- 同じ種類の連続飲用は避ける
- 空腹時や寝る直前は控える
- 自覚症状があればすぐに中止
- 週1〜2回は「ハーブティー休息日」を設ける
5. 安全に楽しむためにできること

ハーブティーは、正しく付き合えば心と体を癒してくれる魅力的な飲み物です。不調のリスクがあるからといって、すべてを避ける必要はありません。
大切なのは、「自分に合った量・タイミング・種類」を見極めて飲むこと。ここでは、日常に無理なく取り入れながらも、安全に楽しむための具体的なポイントを解説します。
5.1 飲む量とタイミングを意識しよう
「飲みやすいから」といって、1日に3杯以上飲むのは控えましょう。朝食後や昼食後など、胃腸が落ち着いているタイミングが最適です。
5.2 同じハーブばかりに偏らない工夫
日によって種類を変える、週末はお休みにするなど、「継続しすぎない工夫」が肝臓への負担軽減にもつながります。
5.3 気になる体調の変化があればすぐ中止
「なんとなく疲れが取れない」「胃の調子が悪い」「眠気が強い」など、気になる変化があればすぐに飲用を中止し、症状が改善しない場合は医療機関に相談を。
5.4 医師や薬剤師に相談するのも安心
持病がある方、妊娠中・授乳中の方、薬を服用中の方は、必ず医師または薬剤師に相談してから摂取するようにしましょう。
6. よくある疑問|ハーブティーについてのQ&A
Q1. 気分が悪くなったときの対処は?
A. すぐに飲用を中止し、水を飲んで体を休めてください。症状が改善しない場合は受診を。
Q2. 毎日飲んでもいいのか?
A. 量や種類に気をつければ、ハーブティーを毎日楽しむことは可能です。ただし、同じ種類を濃いめに何杯も飲むのは避けましょう。特定の成分を長期間摂り続けることで、体調に変化が現れることがあります。
安全に楽しむための目安としては:
・1日1〜2杯までにとどめる
・週に1〜2日は飲まない日をつくる(休息日)
・種類をローテーションする(例:月〜水はカモミール、木〜土はルイボスなど)
こうした工夫をすることで、「飲み続けると体に悪いのでは?」という不安を抑えながら、ハーブティーのメリットを上手に取り入れられます。
Q3. 薬との併用は大丈夫?
A. 薬の種類により影響があります。飲み合わせによっては副作用が出ることもあるため、医師や薬剤師に必ず確認を。
Q4. どんな人が注意すべきか?
A. 「ハーブティーは自然だから安心」と思われがちですが、体調や体質によっては予想外の反応が出ることがあります。以下にあてはまる方は、ハーブティーの成分が体に強く作用したり、逆に悪影響を及ぼす可能性があるため、特に注意が必要です。
・妊娠中・授乳中の方
→ 一部のハーブには子宮収縮作用やホルモンへの影響があるため、胎児や乳児への影響が懸念されます。セージ、フェンネル、ローズマリーなどは避けた方が良いとされています。
・子ども・高齢者
→ 代謝や解毒機能が未熟または低下しているため、ハーブの有効成分に敏感に反応することがあります。少量でも強く作用する可能性があり、慎重に選ぶ必要があります。
・肝臓・腎臓に持病がある方
→ ハーブ成分の多くは肝臓・腎臓で代謝・排泄されるため、これらの機能に障害があると副作用が出やすくなります。肝臓に負担がかかるハーブ(リコリスなど)には特に注意が必要です。
・薬を服用している方
→ 一部のハーブは、薬の効果を強めたり弱めたりする「相互作用」を引き起こします。特に抗凝固薬、降圧薬、抗うつ薬などとの併用には注意が必要です。
・アレルギー体質の方
→ カモミールなど、特定の植物(とくにキク科)に対してアレルギー反応を起こすことがあります。花粉症や喘息などがある方は、少量から慎重に試す必要があります。
7. まとめ

ハーブティーは私たちの生活にやすらぎを与えてくれる存在ですが、「体に良さそうだから」と無条件に飲み続けていると、思わぬ体調不良につながることもあります。どんな飲み物でも、体との相性や摂り方が大切です。ここでは、安全に楽しむためのポイントを改めて整理しておきましょう。
- 正しく飲めばリラックスや美容に効果的
- 体質や体調によっては不調の原因にも
- 肝臓や血圧に影響を与えることがある
- 適量・適時・体調チェックを忘れずに
- 不安な場合は医師・薬剤師に相談を
季節や気分に合わせてハーブティーを選ぶことで、より心地よく日常に取り入れることができます。以下の記事では、シーン別・季節別におすすめのハーブティーを紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。
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