最近、健康志向やナチュラル志向の高まりとともに注目を集めている「セラポット」。
無水調理や素材の旨味を最大限に引き出す調理ができると人気ですが、購入前に知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
この記事では、セラポットの特徴やメリットだけでなく、使ううえで注意したいポイントまで徹底解説。
さらに、セラポットをより快適に使いこなすコツや、おすすめレシピ、萬古焼土鍋との比較まで詳しくご紹介します。
「本当に自分に合った鍋なのか」を見極めるために、ぜひ最後までご覧ください。
1. セラポットとは?基本情報
食材の旨味を最大限に引き出し、健康志向の方にも人気のセラポット。
名前は聞いたことがあっても、どんな鍋なのか詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
ここではまず、セラポットの基本情報から解説していきます。
セラポットの特徴やどんな人に向いているかをチェックして、あなたにぴったりかどうか見極めていきましょう。
1.1 セラポットは日本製・萬古焼ルーツの安心品質
セラポットは、福岡県の企業によって企画・販売されている日本製のセラミック鍋です。
製造は、三重県四日市市の伝統工芸・萬古焼(ばんこやき)の窯元で行われており、
熟練した職人による手仕事で、ひとつひとつ丁寧に作り上げられています。
耐熱性・耐久性に優れ、長年使っても壊れにくい高品質な鍋。
「安心して長く使える道具」を探している方にぴったりの選択肢です。
1.2 セラポットの特徴
- 無塗装・ノンコーティング:余計な添加物ゼロ、食材にやさしい
- 遠赤外線効果:素材の旨味をじっくり引き出す
- 高い保温性と自然な熱伝導:煮込み料理や余熱調理に最適
特徴 | 内容 |
---|---|
無塗装・無コーティング | 食材に余計な成分が移らない |
遠赤外線効果 | 旨味をじっくり引き出す |
高い保温性 | 余熱調理やじっくり加熱に最適 |
1.3 どんな人に向いているか
セラポットは魅力的な特徴がたくさんありますが、すべての人にぴったりというわけではありません。
どんなライフスタイルや料理スタイルの人にセラポットが向いているかというと…
- 素材の旨味を最大限に生かしたい方
- 美味しい料理のため、手間も楽しめる方
- 無水調理や煮込み料理が好きな方
- 添加物を避け、健康志向の料理を楽しみたい方

2. セラポットの主なデメリット
セラポットにはたくさんの魅力がありますが、使いこなすためには注意すべきポイントもあります。
購入後に「思っていたのと違った」と後悔しないためにも、事前に知っておきたいデメリットをしっかり確認しておきましょう。
2.1 使用前の「目止め」が必要
新品は必ず「目止め」をして、耐久性と水漏れ防止を確保しましょう。目止めについてはのちほどお話しますね。
2.2 長時間のつけ置き洗いができない
水を吸収するため、長時間のつけ置き洗いは厳禁なんです。
2.3 揚げ物には不向き
高温に弱いため、天ぷらなどの揚げ物には適していません。
2.4 使用後はしっかり乾燥が必要
洗ったあとは完全に乾燥させ、カビ防止を徹底することが重要です。
2.5 焦げ付きやすい
ノンコーティングのため焦げ付きやすく、火加減や油の使用がポイントです。
2.6 IH調理器では使用できない
基本的にガス火専用。IHコンロ家庭では使えません。
2.7 色移りしやすい
カレーやトマト料理などで色移りが発生しやすいので、使用後すぐに洗いましょう。
参考リンク:CERA POT オンラインショップ
3. セラポットを快適に使うためのポイント
セラポットは、正しい使い方を知っていれば、ぐんと使いやすく、長持ちする道具です。
ここでは、目止めのやり方やお手入れのコツなど、セラポットを快適に使い続けるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
3.1 目止めの正しいやり方
- 鍋に水とおかゆ(または小麦粉水)を入れる
- 弱火で20〜30分煮込む
- 完全に自然乾燥させる

3.2 使用後のお手入れ方法
- すぐに洗って乾拭き
- 通気性の良い場所で陰干し
3.3 焦げ付きを防ぐ火加減のコツ
- 必ず油を引く
- 中火以下の火加減を守る
- 急激な加熱・冷却を避ける

4. セラポット向き:レシピ3選
セラポットの魅力を最大限に引き出すには、鍋にぴったりな料理を楽しむのが一番です。
ここでは、セラポットを使って手軽においしく作れるおすすめレシピを3つご紹介します。
4.1 無水カレー
セラポットの遠赤外線効果を活かすなら、無水カレーはまさにおすすめの料理です。
通常のカレーは水を加えて煮込みますが、無水カレーは野菜の水分だけで仕上げるため、
素材本来の甘みや旨味がぎゅっと濃縮され、驚くほど深い味わいに仕上がります。
1. 材料を重ねて入れる
玉ねぎ、トマト、にんじん、好きな肉などをセラポットに順番に重ね入れます。
(火の通りやすいものを上に、固いものを下に置くと均等に仕上がります)
2. ごく弱火でじっくり加熱
ふたをして、最初は極弱火でじっくり加熱します。
野菜から自然に水分が出てきて、鍋全体が蒸し煮状態になります。
3. 全体に火が通ったらカレールウを加える
水分が十分出たら、火を止めてカレールウを加え、再度弱火でルウを溶かします。
ルウが全体になじんだら完成です。
無水カレーは、焦らずじっくり火を通すことが成功のポイント。
4.2 豚の角煮
豚の角煮は、セラポットの遠赤外線効果と高い保温性を活かすことで、
肉が驚くほど柔らかく、とろけるような仕上がりになります。
1. 豚バラ肉を下茹でする
まず、豚バラブロックをたっぷりの湯で下茹でして、余分な脂を落とします。
臭みも取れるので、下茹では丁寧に行うのがポイントです。
2. 調味料と一緒にセラポットで煮込む
水、酒、砂糖、しょうゆ、みりん、しょうがなどの調味料を加え、
セラポットにセットして、弱火でじっくり煮込みます。
ふたをして、時間をかけてコトコト煮ることで、味がしっかり染み込みます。
3. 火を止めて余熱でさらに味をなじませる
十分に煮込んだら、火を止めてそのまま余熱で休ませます。
セラポットの保温性を利用することで、さらに味がなじみ、トロトロに仕上がります。
豚の角煮は、急がず、じっくり火を入れることが最大のコツ。
セラポットなら、手間をかけた分だけ絶品の味に仕上がります。
特別な日だけでなく、普段のごちそうメニューとしてもおすすめです。
4.3 土鍋ごはん
セラポットは、ごはんを炊くのにも最適な鍋です。
じんわりと火が入り、米一粒一粒に甘みとふっくら感を閉じ込めるので、
炊飯器では味わえないおいしいごはんが手軽に炊き上がります。
1. お米を研いで浸水させる
まず、お米を丁寧に研ぎ、たっぷりの水に30分〜1時間ほど浸します。
この工程で米に十分な水分を含ませることで、ふっくら炊き上がります。
2. セラポットで加熱する
水気を切った米と、炊飯用の水(通常の分量)をセラポットに入れ、
ふたをして中火にかけます。沸騰したら、すぐに弱火にして約10〜15分加熱します。
ふたを開けずに、じっくり火を通すのがポイントです。
3. 火を止めて蒸らす
加熱が終わったら火を止め、そのままふたをした状態で10分ほど蒸らします。
セラポットの保温性で、米の芯までじっくり熱が通り、ふっくらツヤツヤに仕上がります。

5. 他の土鍋との比較【セラポット vs 萬古焼土鍋】
セラポットの魅力をより深く理解するために、同じく人気のある「萬古焼土鍋」と比べてみましょう。
どちらも日本の技術が光る素晴らしい鍋ですが、それぞれに特徴や向き不向きがあります。
自分のライフスタイルに合った鍋選びの参考にしてみてください。
比較項目 | セラポット | 萬古焼土鍋 |
---|---|---|
表面加工 | 無釉薬 | 釉薬あり |
遠赤外線効果 | 非常に高い | 高い |
手入れの簡単さ | 丁寧なケア必要 | 比較的簡単 |
色移り | しやすい | しにくい |
IH対応 | 非対応 | IH対応タイプあり |
【補足】釉薬の安全性について
現在の萬古焼土鍋に使われる釉薬も、食品衛生法に適合しており安全です。
釉薬があることで、焦げ付きにくく、日常使いしやすい特長もあります。
6. よくある質問(FAQ)
セラポットについて調べると、「これってどうなの?」と気になるポイントがいくつか出てきますよね。
ここでは、セラポットに関してよく寄せられる質問をまとめました。
6.1 セラポットは重いですか?
サイズにもよりますが、一般的なフライパンなどよりやや重ための4~5kgです(ちなみに、土鍋も同じくらいの重さではあります)。これにはお料理の重さが含まれません。お料理の重量がプラスされるとかなり重たくなるので、扱いやすいサイズを選びましょう。
6.2 色移りはどう対処しますか?
セラポットは無釉薬(むゆうやく)=表面にコーティングがないため、
色素の強い食材を使ったとき、長時間煮込む、使用後すぐに洗わなかった場合に、色移りしやすくなります。
項目 | 内容 |
---|---|
色移りが起きやすいケース | カレー・トマト・濃いソース料理、長時間調理、洗い忘れ |
重曹洗浄の頻度 | 基本は不要。色移り・においが気になったときだけ行う |
基本的な日常使いでは、毎回重曹洗浄は不要で、移りや焦げ、においが気になるときだけ、重曹を使ったケア(重曹煮沸など)をするのがいいですね。
6.3 ひび割れたら使えますか?
安全性の観点から、ひび割れた場合は使用中止を推奨します。無理に使い続けないようにしましょう。
7. まとめ:セラポットは丁寧に使えば一生モノ
ここまで、セラポットの特徴やデメリット、使いこなすポイントなどを詳しくご紹介してきました。
最後に、セラポットを選ぶうえで大切なポイントを改めてみていきましょう。

7.1 デメリットを理解し、正しく使う大切さ
取扱いに少し手間はかかりますが、正しく使えば何十年と愛用できる道具です。
7.2 セラポットが向いている人・向いていない人
【向いている人】
- 自然素材や食材本来の旨味を大事にしたい人
- 無水調理・煮込み料理を楽しみたい人
- 丁寧な暮らしを楽しみたい人
【向いていない人】
- 手間をかけたくない人
- IHコンロのみ使用している家庭
7.3 自分に合うなら、料理がもっと楽しくなる道具
セラポットは、使いこなせば日々の料理をさらに楽しく、豊かなものにしてくれる一生モノの鍋です。
あなたのキッチンライフを格上げする新しい相棒に、ぜひ加えてみませんか?