毎日使う食器用洗剤、「思ったより手が荒れる」「成分が残って体に悪そう」と感じたことはありませんか?
市販の合成食器用洗剤には、界面活性剤や香料など、肌や体に負担をかける成分が含まれていることもあります。
この記事では、市販洗剤に含まれる成分とその影響、肌荒れ・誤飲リスク・健康被害について解説。
さらに、やさしい使い心地のナチュラル洗剤=固形石けんとの違いと選び方も紹介します。
1. 食器用洗剤の「安全」とは?
「安全な洗剤」とは、単に手に優しいだけではなく、体に入っても問題がないレベルの成分で作られていること。ここでは、安全性を見極めるための基礎知識を解説します。
1.1 肌への刺激が少ない洗剤とは
合成界面活性剤が含まれている洗剤は、皮脂を過剰に洗い流すため手荒れの原因になります。逆に、石けん系洗剤は天然由来の成分が多く、皮膚への刺激が少ないとされています。たとえば「シャボン玉石けん」では皮膚刺激テスト済みで、肌にやさしい設計がされています。
1.2 避けたい成分(合成界面活性剤・香料など)
特に避けたい成分には以下があります:
- 合成界面活性剤(石油由来)
- 合成香料・着色料(アレルゲンになる可能性あり)
- 保存料(パラベンなど)
これらは洗浄力を高めたり、香りを加える目的で使用されますが、肌トラブルやアレルギーの原因になることがあります。
1.3 自然由来・無添加成分の良さ
無添加の洗剤は、自然由来の原料のみを使用し、合成成分を極力排除しています。中でも「カリ石けん素地」や「純石けん分」のみで構成された製品は、赤ちゃんや敏感肌の方にも安心です。
2. 「石けんは汚れが落ちない」は本当?
石けん=洗浄力が弱いという印象を持つ人は多いですが、実は使い方と条件次第で合成洗剤に匹敵する洗浄力を発揮します。

2.1 石けんの油汚れに対する強さ(乳化作用)
石けんは油を包み込んで水と混ざるようにする「乳化作用」が強いため、フライパンのベタベタ油も十分落とせます。特にお湯と組み合わせることで効果が高まります。
補足:石けんは環境にもやさしい
石けんは自然由来の成分から作られており、使用後は微生物によって短期間で水と二酸化炭素に分解されます。つまり、下水や河川に流れても環境への負荷が少ないのです。合成洗剤では分解に時間がかかる成分も含まれるため、環境への配慮を重視する人には石けんが最適な選択肢です。
排水として流れた石けんは、水と二酸化炭素に短期間のうちに分解され、カルシウムやマグネシウムなど水の中に含まれているミネラル分と結びついた石けんカスは、海や川にいる微生物のエサになり、生態系のサイクルを守るため環境を汚すことはありません。
2.2 合成洗剤との違いと、洗浄力の比較
比較項目 | 石けん洗剤 | 合成洗剤 |
---|---|---|
洗浄力 | 中~高(条件次第) | 高い(安定) |
肌への優しさ | 高い | 低め(刺激あり) |
環境負荷 | 低い(生分解性◎) | 高い場合も |
成分の明確さ | 明確(無添加多い) | 不明な添加物も |
国民生活センターの調査でも、石けん洗剤は洗浄力に遜色なく、肌へのやさしさで優れていることが報告されています。
2.3 泡立ちの多さ=洗浄力ではない理由
泡がたくさん出ると「よく落ちる」印象を持ちますが、泡は洗浄力とは無関係。石けんは泡立ちは控えめですが、汚れをしっかり落とします。
2.4 石けんを効果的に使うコツ(お湯・拭き取り・石けんカス対策)
- お湯(40℃前後)で使うと乳化力アップ
- 汚れを拭き取ってから洗うと泡立ちも効率的
- 使用後はシンクをさっと流して石けんカスを残さない
3. 安全な食器用洗剤の選び方
どんなに「無添加」「自然派」と書いてあっても、成分表示を確認しないと真の安全は分かりません。

3.1 成分表示のチェックポイント
以下のような表示を確認しましょう:
- 純石けん分(脂肪酸カリウム・ナトリウム)
- 界面活性剤の種類と濃度
- 香料・保存料の有無
「石けん分○%」と記載されていれば、余計な合成成分は少ない傾向にあります。
3.2 「無香料・無着色」のメリット
香料や着色料は、洗浄に直接関係しない成分で、刺激やアレルギーの原因になる可能性があります。無香料の洗剤は、赤ちゃんの食器にも安心して使えます。
3.3 詰め替え・コスパ・環境配慮の視点も
- 詰め替えがあるものはゴミ削減に◎
- 濃縮タイプなら1回の使用量も少なく経済的
- 植物性の原料なら環境への負担も低減
- 石けん洗剤は水に分解されやすく、排水後も自然界で速やかに無害化される
4. 合成洗剤で、肌や体に起きるリスク(誤飲など)
合成洗剤は使い続けることで、次のようなリスクが考えられます:
リスクの種類 | 内容 |
---|---|
手荒れ・乾燥 | 界面活性剤が皮脂を奪い、バリア機能を低下させる |
肌トラブル | pHバランスの崩れで乾燥・かゆみ・炎症が起こる |
残留リスク | すすぎ不足により食器に洗剤が残り、口から体内に入る可能性がある |
誤飲事故 | 子ども・高齢者・ペットが洗剤を誤って口に入れるケースが |
粘膜刺激 | 一部成分が目や口に入ると強い刺激や痛みを感じる可能性 |
環境負荷 | 合成成分が自然分解されにくく、水質や生態系に影響を与える |
容器ごみの問題 | プラスチック容器がリサイクルされにくく、ゴミとして残る |
これらのリスクを避けるには、「何を使うか」を見直すことが大切です。
5. 固形石けん|おすすめ3つ

肌や環境にやさしい洗剤を選ぶなら、「石けん由来」の製品がおすすめです。
中でも固形石けんは、合成洗剤に比べて添加物が少なく、すすぎ残りのリスクも低くなります。また、紙包装などを採用している製品が多く、環境負荷も軽減できます。
さらに液体石けんと比べても、固形タイプは保存性が高く、少量でも長持ちしやすいため、日常使いに向いています。
ミヨシ石鹸 白いふきん洗いせっけん(固形)
無添加・無香料で知られるミヨシ石鹸の定番商品。泡立ちは控えめながらきめ細かく、肌への刺激が非常に少ないのが特徴です。固形で溶けにくく、コスパ重視の方にも最適です。
・内容量:約135g ・参考価格:約165円(税込)
・向いている人:敏感肌・アトピー肌・子どものいる家庭
※現在はパッケージが新旧、混在しているようですが石けんの構成自体に変更はないようです。
松山油脂 M‑mark 台所用せっけん(固形)
枠練り製法の純石けん分98%高品質石けん。泡立ち・泡持ちが良く、溶けにくいため長持ちします。釜焚き製法由来のやさしさを実感でき、エコ志向にも◎
・内容量:約175g ・参考価格:約352円(税込)
・向いている人:乾燥肌・石けん生活初心者・環境意識の高い方
シャボン玉石けん(固形)
こちらも成分面でも非常におすすめの製品です。
ただ、他の固形石けんと比べてやや溶けやすいように感じることもありますので、しっかり水分の切れる環境が必須です。
◼ 液体石けん

商品名 | 特徴 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
ミヨシ石鹸(液体) | 無添加・泡立ち良好。赤ちゃん・敏感肌にも安心 | 約 178円〜(350ml) |
シャボン玉石けん(液体) | 合成界面活性剤・香料・着色料不使用、泡切れ良好 | 約 550円(300ml) |
サラヤ arau.(液体) | 植物成分100%・泡切れよく時短に◎ | 約 240円〜(400ml) |
松山油脂 M-mark(液体) | 天然油脂ベース・釜焚き製法。肌と環境にやさしい | 約 473円(300ml) |
パックスナチュロン(液体) | 植物油由来で泡立ち・泡切れ良好、無香料 | 約 572円(500ml) |
6. 合成液体洗剤が余ったら?再活用アイデア
固形石けんに切り替えたあとに余った合成液体洗剤は、意外に思うかもしれませんがトイレや浴室掃除での使用がおすすめです。
- 便器本体や便座:皮脂汚れに効果的
- 手洗いボウルや床:泡立ちすぎず扱いやすい
- お風呂の浴槽掃除:少量でも泡立ち良く皮脂汚れをすっきり落とせます
使用後はしっかりすすぎましょう。

7. まとめ:毎日の習慣だからこそ、洗剤を見直そう
食器用洗剤には肌荒れや健康リスク、そして環境への影響も含まれています。
だからこそ、石けん系洗剤への切り替えは、体にも地球にもやさしい選択です。
“どんな洗剤を選ぶか”は、“どんな暮らしを選ぶか”。
毎日の食器洗いから、より安全でナチュラルな暮らしを始めてみませんか?