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ジベレリン処理の危険性は?種なしぶどうを安心して食べるためのポイント

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スーパーで当たり前に並ぶ「種なしぶどう」。実はこの果物には、「ジベレリン処理」という植物ホルモンの技術が使われています。便利で人気の高い種なしぶどうですが、種なしの理由を知ると「安全性は大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。この記事では、ジベレリン処理のしくみや健康への影響、安全に食べるためのポイントをわかりやすく解説します。

1. ジベレリン処理とは?

ジベレリン処理は、植物の成長を助ける「ジベレリン」という物質を使って果物の品質を高める農業技術の一つです。特にぶどうにおいては、種なし果実を作るために広く使われています。

1.1 ジベレリンってどんな物質?

ジベレリンとは、植物が自ら生成する天然の成長ホルモンの一種で、発芽・茎の伸長・開花・果実の発達などに深く関わっています。もともとコメや麦などの植物から発見され、現在では農業用に合成されて使用されています。

1.2 なぜ「種なしぶどう」に使われるの?

ぶどうの花が咲いた直後にジベレリンを適切に散布すると、受精せずに果実が大きく育ち、結果的に種ができない「種なしぶどう」が生まれます。これにより、食べやすく人気の高い果物が効率よく生産できるようになりました。

1.3 どんな農産物で使われている?

ジベレリン処理はぶどう以外にも、かんきつ類、イチゴ、トマト、ナス、リンゴなど多くの果物や野菜に利用されています。果実の肥大や品質向上、収穫時期の調整などに役立っています。

ジベレリン=植物からできているなら、安全では?

ここでよくある疑問が「ジベレリンって植物から発見されたんでしょ?それなら安全なのでは?」というもの。たしかにジベレリンは自然界にも存在する「植物ホルモン」です。イネや麦などの植物自身が、自らの成長に使っています。

しかし、それが「必ずしも100%安全」とは言い切れない理由が2つあります。

①人工的に精製・高濃度使用されている

農業現場で使用されるジベレリンは、天然のものではなく人工的に合成され、濃度を調整したものです。自然に植物内で出る量と比べると、農薬として使われるものは非常に高濃度。そのため「身体への影響がゼロではないのでは?」という懸念が生まれやすいのです。

②「ホルモン=体に影響あり」と誤解されやすい

ジベレリンはあくまで「植物ホルモン」であり、人のホルモンバランスに直接作用するものではありません。ですが「ホルモン」という言葉から、「妊婦に悪影響があるのでは」「子どもの成長に影響するのでは」と不安を感じる方もいます。

このような誤解が、ジベレリン=危険というイメージにつながっているのです。

●実際は? → 科学的に見ても安全

EPA(米国環境保護庁)やEFSA(欧州食品安全機関)、日本の厚労省などは、ジベレリン処理による健康リスクは極めて低いと公式に評価しています。市場に出る農産物は残留基準を満たしており、通常の摂取では健康への影響はほとんどありません。

それでも気になる場合は、オーガニックや種ありの果物を選ぶことで、より安心感を得ることができます。

2. ジベレリン処理は本当に危険なの?

消費者の中には「ホルモン」と聞くだけで健康への影響を心配する人もいますが、実際に危険性はあるのでしょうか?ここでは科学的な根拠に基づいて見ていきましょう。

2.1 動物実験で見られたリスクとは

一部の動物実験では、非常に高濃度のジベレリンを長期間与えた際に、マウスの乳腺腫瘍や肺腺腫瘍の発生が見られたという報告があります。ただし、これは通常の食品に含まれるレベルとは桁違いの量であり、現実的な摂取量では再現されていません。

◆わかりやすく言えば…

体重50kgの人が、動物実験レベルのジベレリンを摂取しようとすると、1日に1トン(=1000kg)以上のぶどうを食べ続けなければならないという非現実的な量になります。

このように、日常的な食事でジベレリンによる健康被害が出るとは考えにくいのです。

2.2 人体への影響は?科学的な根拠を解説

米国EPAは、人の安全性に懸念を示さず、「農産物に使う微量なジベレリンでは人体には悪影響がない」としています。EFSA(欧州食品安全機関)も、ぶどうでの使用に関して毒性リスクなしとしており、現在の農業使用の範囲では問題がないと結論づけています。

2.3 子どもや妊婦が食べても大丈夫?

ジベレリンは植物が本来持つ成分で、通常の摂取量では健康への影響はないとされています。厚生労働省の評価では、発がん性や催奇形性、生殖毒性は確認されておらず、適切な使用条件下であれば、子どもや妊婦が口にしても問題はないと考えられています。

出典:厚生労働省 ジベレリン(A3)農薬評価書(PDF)

3. 安全性に関する公式な見解

3.1 日本や海外での使用基準(厚労省・EPAなど)

日本では「植物成長調整剤」として農薬登録され、農林水産省および厚労省の監督のもと使用されています。米国のEPA(環境保護庁)も、「ジベレリンは通常使用量では発がん性・催奇形性・生殖毒性のいずれも確認されていない」と評価しています。

3.2 「残留基準値」はどれくらい?

ぶどうにおけるジベレリンの残留基準値は0.1ppmと定められています。厚生労働省は、1日摂取許容量(ADI)を0.11mg/kg体重/日と設定し、短期的な過剰摂取によるリスクも極めて低いと評価しています。日常的に食べる量で健康に影響が出ることはほぼありません。

出典:厚生労働省 ジベレリン(A3)農薬評価書(PDF)

3.3 有機栽培やノンホルモン栽培との違い

ジベレリンは「農薬」扱いのため、有機JAS認証を受けた農産物では使用されていません。ジベレリン不使用のぶどうを求める場合は、種ありぶどうやオーガニック商品を選ぶと良いでしょう。

4. 安心して食べられる、ぶどうの見分け方

ジベレリンの安全性は科学的に確認されていますが、「できるだけ自然なものを食べたい」「子どもや妊婦には慎重に選びたい」と考える方も少なくありません。ここでは、そうした方が安心してぶどうを選べるよう、いくつかのポイントをご紹介します。

4.1 「種ありぶどう」=ジベレリン不使用の可能性が高い

一般的に、種なしぶどうを作るにはジベレリン処理が欠かせません。そのため、種ありぶどうはジベレリンを使用していない可能性が高いと考えられます。
ただし、すべての種ありぶどうが完全に無処理というわけではなく、「果粒を大きくする目的」などで部分的に使われているケースもあります。確実に避けたい方は、表示や販売者への確認がおすすめです。

4.2 有機JASマーク・オーガニック表示をチェック

有機JASマークや「オーガニック」と表示された商品は、ジベレリンを含む化学合成農薬を使用していません。自然な栽培方法を求めるなら、まずチェックしたいポイントです。

4.3 生産者や販売者に、直接聞く

直売所や地元スーパーなどでは、表示が十分でない場合もあります。不安なときは「このぶどうはジベレリンを使っていますか?」と販売者に聞いてみましょう。

4.4 市販品での注意点(表示義務がない現状)

現状では、ジベレリン使用の有無をパッケージに明記する義務はありません。そのため、オーガニック表示がない限り、種なしぶどうはジベレリン処理されていると考えるのが妥当です。

5. 私たちができる安全対策

5.1 市販の果物をより安心して食べる工夫

流水でよく洗い、できれば皮をむいて食べることで、微量の残留物質も取り除くことができます。
冷蔵庫での保存も菌の繁殖を防ぐ意味で効果的です。

5.2 安全性が気になる人のための選び方

「種ありぶどう」「有機」「オーガニック」などのラベルをチェックして選ぶのが有効です。中には無農薬をうたう自然派農園の商品もあるので、そういった品を選ぶのも良いでしょう。

5.3 家庭での洗い方・保存方法のコツ

ジベレリンは果実の成長過程で内部に取り込まれる性質があるため、洗ったからといって完全に除去できるものではありません。とはいえ、果物にはジベレリン以外の農薬や汚れが付着していることもあるため、洗浄は大切です。

  • 軽くこするように流水で洗う
  • 洗った後は水気をよく切って冷蔵保存
  • 皮が気になる場合はむいて食べるのも安心材料に

「ジベレリンを落とすため」というよりは、総合的な衛生・安心対策として、家庭でのひと手間が安心につながります。

6. よくある質問Q&A

6.1 長く食べ続けると体に悪い?

通常の摂取量であれば問題ありません。長期摂取によるリスクは、国際的な食品安全機関によっても否定されています。

6.2 他の農薬と比べて毒性は強いの?

ジベレリンは他の農薬と比べて毒性は非常に弱く、EPAの報告でも「人への有害性は認められない」とされています。

6.3 オーガニックにすれば安心?

有機JAS認証を受けたオーガニック商品であれば、化学合成農薬やジベレリンのような植物成長調整剤は原則として使われていないため、安心材料のひとつになります。
ただし、海外産や無認証の“オーガニック風”商品には基準のばらつきもあるため、表示や認証マークをよく確認しましょう。

7. まとめ

  • ジベレリン処理は、種なしぶどうなどの品質向上や流通性向上のために使われている。
  • 科学的根拠として、EPA・EFSA・厚労省などが「人体への影響は極めて低い」と評価している。
  • 安心して果物を食べるためには、「種ありぶどう」や「有機JAS商品」を選び、洗い方や保存方法に気をつけるとより安全。

正しく知って、安心して果物を楽しみましょう!

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