「無添加だから体に良い」と思っていませんか?実は、無添加ポテトチップスでも健康に悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、無添加ポテトチップスの健康への影響や選び方、そして健康的に楽しむ方法について詳しく解説します。
1. 無添加ポテトチップスとは?
無添加ポテトチップスは、人工的な添加物を使用せず、自然な原材料で作られたポテトチップスです。しかし、「無添加=健康に良い」とは限りません。以下で詳しく見ていきましょう。
1.1. 無添加の定義と一般的な特徴
「無添加」とは、保存料や着色料、香料などの食品添加物を使用していないことを指します。無添加ポテトチップスは、じゃがいも、植物油、塩などのシンプルな材料で作られています。添加物を避けたい人や自然志向の人に人気があります。
1.2. 一般的なポテトチップスとの違い
一般的なポテトチップスには、風味を良くするための調味料や保存性を高める添加物が含まれていることがあります。一方、無添加ポテトチップスは、素材本来の味を楽しめるのが特徴です。ただし、添加物がないからといって、健康に良いとは限らない点に注意が必要です。

2. 無添加でも注意が必要な3つの理由
無添加ポテトチップスでも、以下のような健康リスクが存在します。
2.1. 高脂質による摂取過多のリスク
ポテトチップスは、油で揚げて作られるため、脂質が高くなります。例えば、60gのポテトチップスには約22gの脂質が含まれており、これは1日の脂質摂取目安の約30%に相当します。過剰な脂質摂取は、肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
2.2. 揚げ油の酸化による健康への影響
ポテトチップスの製造過程で使用される油が酸化すると、過酸化脂質が生成されます。これらは体内で酸化ストレスを引き起こし、動脈硬化や老化の原因となることがあります。特に、繰り返し使用された油や高温で長時間加熱された油は酸化しやすいため注意が必要です。
2.3. 高温調理によるアクリルアミドの生成
アクリルアミドは、じゃがいもなどの炭水化物を高温(120℃以上)で加熱する際に生成される化学物質で、発がん性が指摘されています。ポテトチップスはこの条件に該当するため、アクリルアミドが含まれている可能性があります。農林水産省も、アクリルアミドの摂取をできるだけ少なくするよう呼びかけています。
食品を加熱調理する過程において、食品中では様々な化学物質が生成されたり、分解されたりしています。このとき生成する化学物質の中には、食品を食べやすくする、好ましい風味を醸し出す、保存性を高めるなど有用な効果をもたらすものがある一方で、私たちの健康に悪影響をもたらす可能性のあるものが副産物としてできることがあります。そのような加熱食品に含まれる有害化学物質のひとつが「アクリルアミド」です。
出典:農林水産省ホーム>消費・安全>食品中のアクリルアミドに関する情報
3. 無添加ポテトチップスの選び方
無添加ポテトチップスを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
3.1. 原材料の確認ポイント
- じゃがいも:国産や有機栽培のものが望ましい
- 油:酸化しにくい油(例:米油、オリーブオイル)を使用しているか
- 塩:天然塩や海塩など、添加物の少ないものが使用されているか
原材料表示を確認し、シンプルな材料で作られている製品を選びましょう。
3.2. 使用されている油の種類とその特徴
- 米油:オレイン酸を多く含み、酸化しにくい
- オリーブオイル:抗酸化作用があり、心臓病のリスクを低減する可能性がある
- パーム油:飽和脂肪酸が多く、過剰摂取は心臓病のリスクを高める可能性がある
健康を考えるなら、米油やオリーブオイルを使用した製品を選ぶと良いでしょう。
3.3. 加工方法や製造過程のチェック
製造過程での温度管理や油の使用回数なども、製品の品質に影響します。可能であれば、製造元の情報や製品の詳細を確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。

4. 健康的に楽しむための工夫
無添加ポテトチップスを健康的に楽しむためには、こんな工夫が効果的です。
4.1. 適切な摂取量と頻度の目安
- 摂取量:1回の摂取量を30g程度に抑える
- 頻度:週に1〜2回程度にとどめる
過剰な摂取を避け、適量を守ることが大切です。
4.2. 他の食品とのバランスを考えた食べ方
ポテトチップスを食べる際は、野菜や果物などのビタミンや食物繊維を含む食品と一緒に摂取することで、栄養バランスを整えることができます。
4.3. 手作りポテトチップスのすすめ
自宅でポテトチップスを手作りすることで、油の種類や塩分量を調整できます。オーブンで焼く方法を選べば、油の使用量を減らすことも可能です。
5. まとめ:無添加ポテトチップスとの上手な付き合い方

5.1. 無添加だからといって過信しない
無添加ポテトチップスでも、脂質やアクリルアミドなどのリスクが存在します。「無添加=安全」と過信せず、適切な摂取を心がけましょう。
5.2. 健康的な食生活の一部として取り入れる方法
- 適量を守る:1回の摂取量を30g程度に抑える
- 頻度を控える:週に1〜2回程度にとどめる
- 栄養バランスを考える:他の食品と組み合わせて摂取する
- 手作りを試す:自宅で調理することで、油や塩分を調整できる
無添加ポテトチップスを上手に取り入れ、健康的な食生活を維持しましょう。
6. 補足情報:無添加ポテトチップスに関する豆知識
6.1. 「無添加」表示にもルールがある?
日本では「無添加」の表示に明確な法的基準がないため、企業の裁量で表示されているケースも少なくありません。たとえば、「保存料無添加」と記載されていても、他の添加物(酸化防止剤など)が使われていることがあります。
チェックポイント:
- 「完全無添加」や「食品添加物不使用」の記載があるか
- 添加物リスト(原材料欄)を必ず確認する
6.2. 海外製の無添加ポテトチップスの注意点
アメリカやヨーロッパでは「Non-GMO(遺伝子組換えでない)」「Organic(有機)」などの表示がありますが、日本とは基準や安全性への考え方が異なる場合があります。
輸入品を選ぶ際は、信頼性の高い第三者認証マーク(例:USDAオーガニック)を参考にしましょう。
7. 無添加ポテトチップスの参考製品例(※2025年5月時点)
ここでは、評判の良い市販の無添加ポテトチップスをいくつかご紹介します(※製品仕様は時期や地域により異なる場合があります)。
■ 完全無添加
製品名 | 特徴 | 油の種類 | 備考 |
---|---|---|---|
菊水堂 できたてポテトチップ | 完全無添加。素材と鮮度に徹底的にこだわり、製造直後に発送 | 国産こめ油 | 製造日指定&短い賞味期限が特徴 |
ノースカラーズ 純国産 無添加ポテトチップス うすしお味 | 化学調味料、保存料、着色料、香料を一切使用せず、国産原料100%で製造 | 国産こめ油 | 公式サイトなどで取り扱い |
菊水堂のポテトチップについては、詳しくはこちら。
■ 無添加志向
製品名 | 特徴 | 油の種類 | 備考 |
---|---|---|---|
カルビー じゃがいも道 | シンプル原材料。保存料・着色料・化学調味料不使用 | 米油 | 無添加表記はないが、実質的に無添加設計 ※北海道産じゃがいもが使用できる、秋~翌年5月頃まで販売予定 ※売切次第で販売終了 |
もへじ 北海道でつくったポテトチップス | 化学調味料や保存料、着色料を使用しておらず、原材料もシンプルで、素材の味を活かした製法 | 米油 | 無添加志向の方や、健康を意識される方にもおすすめ |
※分類の考え方
- 完全無添加:食品添加物(保存料・化学調味料・香料など)が一切使われていない製品
- 無添加志向:基本的に添加物は使っていないが、製法や一部フレーバーで例外がある、または無添加表記がないが内容はシンプルなもの
※商品お買い求めの際は、店舗や公式サイトにて最新の取り扱い状況・原材料・価格などをご確認ください。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 無添加ポテトチップスは子どもに食べさせても大丈夫ですか?
A. 適量であれば問題ありませんが、脂質と塩分が多いため、3歳未満の子どもには少量にとどめ、頻度も週1回程度を目安にしましょう。また、必ず年齢に合った食べ方を確認してください。
Q2. アクリルアミドは加熱すれば必ず発生するのですか?
A. はい、特にじゃがいもなどの炭水化物を120℃以上で揚げたり焼いたりすると、アクリルアミドが発生しやすくなります。ただし、調理温度や時間を調整することで量を抑えることは可能です。
Q3. 無添加ポテトチップスでもカロリーは高いですか?
A. はい。添加物の有無にかかわらず、油で揚げている以上、カロリーは高めになります。60gで約300〜350kcal前後が目安となります。
最後に:自然派スナックとの向き合い方
無添加ポテトチップスは、人工的な添加物を避けられるという点で安心感がありますが、「無添加だからヘルシー」と思い込みすぎるのは危険です。脂質や塩分、調理方法に注意しながら、適度に取り入れることが大切です。
食は楽しみのひとつ。だからこそ、“選び方”と“食べ方”を工夫しながら、身体にやさしいおやつタイムを演出してみてください。